ギリギリの第一志望校。強行するかしないか問題。
こんにちは。やまにんです。
すっかり寒くて風邪ひきそうです。
今回は塾関係者間でも意見が割れる話題です。
ギリギリの第一志望校問題
昨今の北海道の公立高入試傾向としまして、
偏差値の高い高校に志望者が集まり、偏差値の低い高校の定員が割れがち
という傾向が如実です。
北海道の景気が上向いて、私立への進学に抵抗のなくなった家庭が増えたことや、
私立の方がしっかりやってくれそう、というイメージを持つ人が増えたこともあるでしょう。
そんな諸々の理由から「高校受験に失敗する」というハードルが表面上昔に比べ下がりました。
その時代背景から爆誕した2派。
「頑張る子供を応援したいので落ちてもいいから好きな高校受けてもいいよ派」
「様々な事情や家庭の方針から絶対に公立に行け派」
どちらが良い選択なのか?親としてどういう立ち位置で行くべきか?
塾としてどう言うべきかと色々意見の割れるところです。
そのあたりをお伝えしたい。
98%受からない公立高受験は辞めよう!
毎年5%くらいの割合で、
絶対落ちるけど強行する人がいます。
まず、これは論外です。
保護者がしっかり止めるべき案件です。
不思議とこういう場合、保護者も応援してるんですよね。
私立に行けばいいから、公立は夢を見ましょう、ってな具合で言ってきます。
それだったら単願か専願で行くべきであって、
公立は受けないことをお勧めします。(まぁ直接言うことはないんですが)
考えてみてください。
受かるはずのない公立高校を受験する子供の気持ちを。
色々あると思いますが、大半の子が、もし合格したら親が喜んでくれそう、認めてもらえそう、という気持ちではないのでしょうか。絶対そうだ!
また、もし自分に見合ったところを受けて不合格になったらどうしようという不安な気持ちなのではないでしょうか。
人生で初の負ければ終わりの大勝負。そんな気持ちも当然です。
そんな不安メンタルの子供が殆ど受かる可能性のない受験に挑戦して、
結果は予想通りダメだったとしたら、どう思うでしょうか。
表向きは気にしていないふりをするはずでしょうが、
内心は人生に対してのどことない無力感を覚えるのではないか。
大人にとってはたかが高校受験です。
大学受験の方がはるかに大事だという認識かもしれません。
ですが、子供にとっては人生で初めて完璧な「ノー」を言い渡されるかもしれない一大事です。
しっかりと寄り添って何度も話し合いを重ねていけば、この結論に至ることはないと思います。
大人の方が歩み寄るべきです。子供は目の前のことで手一杯です。
結論が変わらなくても、それがあるのとないのとでは今後の親子関係が変わると思います。
不合格はその後の子供の人生に影を落とす
私の経験談です。
先に断っておきますが、
これは万人にあてはまることではないと思います。
たまたま、私がそういう経験をした、
だからこういう考えに至った、というだけです。
私がまだ塾長になりたての頃は
「一生懸命頑張って不合格になるのは仕方ない。不合格になっても一生懸命やったのだからこの経験を活かして頑張ることができる」
という考えで進路指導をしており、
実際、一生懸命頑張らせて1ランク上の志望校に合格していく生徒達も何名か輩出していました。(今思えばたまたまです)
一生懸命頑張る=勉強習慣がつく、長時間勉強への耐性が出来る
という非常にシンプルな方程式を信じ、指導にあたっていました。
そんな中、私はある生徒と出会います。
東西南北に入りたい、Aランク。とてもよく勉強するどちらかといえば努力家タイプの女の子でした。
私は北海道一番である南高を目指すよう進言していましたし、
本人もかなりその気になって勉強しており、成績も上昇、ただし、判定は70%くらい、という微妙なラインでした。
進路選択はかなり悩みましたが、結局、本人の強い意志によって北海道で最難関の札幌南を受験。
結果は不合格。
私もかなり落ち込みました。
塾人生の中でも落ち込んだ出来事BEST5に入るくらいの衝撃。
しかし、そこからが更につらかった。
弟も通塾していたこともあって、
ご家庭とのつながりはそのあとも続きました。
お母さんからは
「高校受験後から全然勉強しなくなった」
「生活が乱れて、もう私にはどうしようもない」
など、とても私が期待していたような頑張っている様子は聞こえてきませんでした。
私の「一生懸命頑張って不合格になるのは仕方ない。不合格になっても一生懸命やったのだからこの経験を活かして頑張ることができる」は完全に論破されました。
一生懸命頑張ったのにできなかった=何をやっても否定されるような気持ち、人生への無力感=自信をもてない
そういう負の感情が本人にも無自覚に現れたのではないか、と想像できます。
少し考えればわかることでした。
でも、私はわからなかった。
私が未熟だったからです。
私の中に「無理だと思われたところから南高に入れた」
という美談を作りたかった気持ちもあったのだと思います。
私はそれ以降「受かるところに確実に入れる」ことを軸の進路指導に切り替えました。
ただ「確実なところに入ろう」と言うのではなく、
なるべく本人が自分で決めたと感じられるよう、
下げた高校でもそこが第一志望校だったと感じてもらえるよう努力する進路指導に切り替えました。
その学校にまつわる話をそれとなく会話に盛り込んだり、
その学校の先輩を紹介したり、そんな地道な活動から、
実はあんまりレベルは変わらないとか、
大学受験が大事なんだという話とか、
そういうふうに時間をかけて本人を納得させていくという活動です。
それがよいのか悪いのか、今でもわかりませんが、
これが私の進路に対しての考え方です。
子供は子供。
普段、子供と関わっていると、時折彼らが子供と感じない時があります。
中学3年生の女子なんかは大学1年男子くらいの精神年齢の子もいるので、余計にそう思います。
そんなとき私は「この年齢が大人ぶりたい年頃」なんだと
自分に言い聞かせるようにしています。
彼らはまだ子供です。
この先どういう大変なことがあるか、
どんな状況に自分が置かれていくか、
知識として理解していても、実感はない。
当たり前ですが。
でも当たり前なことを見失って大人は誤った対応をするのも事実です。
時に、大人の都合で子供を大人扱いすることもある。
大人がしっかりと導いてあげないとまだ判断を誤る年齢です。
だから、本人に任せないでください。
しっかりとした話し合いでお互い納得できる進路選択をしてもらいたいと思います。
まとめ
なんか今回はあんまりまとまってない気がします。笑
強行するかしないかは最終的にしっかりとした話し合いを重ねてください。
中3はまだ子供。親の導きが必要です。